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2019.03.16

配偶者居住権の創設に伴う相続税の評価対応


配偶者居住権として2018年7月に民法の相続関係の改正が成立し、 2020年4月1日から施行されます。配偶者の居住権は、被相続人の死亡により残された配偶者の生活への配慮などから改正されたもで、2019年度税制改正では、配偶者居住権の相続税の評価の対応が定められました。

配偶者居住権の概要

配偶者が相続開始の時に被相続人が所有していた建物に居住していた場合に、配偶者は遺産分割において配偶者居住権を取得することにより、終身または一定の期間その建物に無償で居住できる制度が2020年4月1日から施行されます。

被相続人が遺贈などによって配偶者に配偶者居住権を取得させることも出来るようになります。これにより配偶者は、ご自宅での居住を継続しながらその他の財産も取得できることになります。

配偶者居住権の相続税の評価方法

 配偶者が取得する配偶者居住権については、被相続人が居住していた建物及びその敷地の相続税評価額を基に、将来の居住期間の年数に応じて相続税評価額を計算することになります。 また、他の相続人が取得する当該土地及びその敷地の負担付き所有権については、その配偶者居住権の評価額が減額されます。

配偶者居住権が設定された負担付き居住建物の所有権の評価方法

建物の相続税評価額(※1)×(住宅用の法定耐用年数×1.5-建築年数-居住権の存続年数(※2))÷(住宅用の法定耐用年数×1.5-建築年数)×居住権の存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率(※3)

※1.相続等により取得した建物の相続税評価額は固定資産税評価額とされています。

※2.居住権の存続年数は遺産分割協議などに定められた配偶者居住権の存続期間の年数で、配偶者の平均余命年数が上限となります。

※3.2020年4月1日以後の法定利率は3%で、その複利現価は定期借地権等の評価における保証金等による経済的利益の計算や特許権、信託受益権、清算中の株式、無利息債務等の評価に使用されるものです。

居住建物の配偶者居住権の評価方法

居住建物の相続税評価額 - 上記で計算した配偶者居住権が設定された建物の所有権の相続税評価額    
 上記の通り、配偶者の権利である居住建物の配偶者居住権の評価は、建物の固定資産税評価額から上記で計算した所有権の相続税評価額を控除して求めることになります。

配偶者居住権が設定された居住建物の敷地所有権の評価方法

土地の相続税評価額 - 存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率

 上記の通り、配偶者居住権が設定された居住建物の敷地所有権の評価額は、その土地の相続税の評価額に配偶者居住権の存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率を乗じて求めることになります。

 居住建物の敷地に対する配偶者居住権の評価方法

土地の相続税評価額 - 上記の敷地所有権の相続税評価額

 上記の通り、配偶者居住権に基づく居住建物の敷地の利用に関する権利の相続税の評価額は、土地の相続税評価額から配偶者居住権が設定された居住建物の敷地所有権の相続税の評価額を控除して求めることになります。 なお、要件を満たしていれば、この敷地に対する配偶者居住権は小規模宅地等の特例評価の対象となります。

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