農業、農家の相続と事業継承について

農業の事業継承について

事業継承とは

事業継承は文字通り事業を次世代へ引き継ぐこと

農地の承継においては、後継農業者が多額の相続税負担により農業の運営に支障をきたすケースがありました。

そこで、意欲ある農業後継者が農地を引き継ぐ際、税負担が軽減されるようにできた制度が農地に特化した納税猶予制度です。

事業承継税制のメリット

相続税は「現金一括納付」が原則

相続税は金額も大きくなります。せっかく相続した農地を農業後継者が納税資金へあてるために売却してしまっては元も子もありませんし、経営基盤も安定せずスムーズな農業ができません。

この制度の最大のメリットは、先代が農業を行っていた農地を相続したときに相続税の納税猶予を受けられることと、その農地を使って農業をつづけることによりその相続税が免除されることです。

この制度は、農業を行っていく農地が対象となります。その農地の価格は農業を続けていくことを条件に通常の価格よりも大幅に下がった一定の価格で相続税が計算されることとなります。

農地を通常の価格で計算した場合の相続税額と一定の価格で計算した場合の相続税額との差額が猶予されることとなります。

事業承継と事業継承の違い

「事業承継」と「事業継承」はどちらが正しいのでしょうか。この2つの言葉は似ているようで、実はそれぞれ違う意味があるのです。 大辞林第三版によると、承継とは、先の人の地位・事業・精神などを受け継ぐこと。

継承とは、先の人の身分・権利・義務・財産などを受け継ぐこと、とあります。 また、漢字の並びを見てみましょう。「承継」が「承って受け継ぐ」のに対し、「継承」は「受け継いで、承る」ということになります。

ニュアンスの問題にはなりますが、前任者の考えや思いを理解した上で、権利や財産などを受け継ぐ(=承継)のか、権利や財産などを受け継ぐことで、前任者の考えや思いを理解していく(=継承)のかという違いがあります。

どちらの言葉も間違いではありませんが、法律用語や税制の呼称には、「承継」が使われているため、事業継承よりも事業承継がより適切と言えるでしょう。

事業承継税制のデメリット

この制度のデメリットは、納税猶予の要件を満たさなくなった場合に、その猶予を受けている相続税に加え利子税(税金の利息)を納めなければならないことです。

また、申告をした後は3年に1回税務署に書類を提出しなければなりません。

スムーズな事業承継をする重要性について

農家のスムーズな事業継承の重要性

農家の方々の高齢化が進んでおりますが、半数以上の農家の方々は事業承継の準備を終えていません。スムーズな事業承継をすることで取引先との信頼関係を維持することができ、農業を発展させることに集中できます。

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田中操税理士事務所