贈与税の申告FAQ:農業後継者が農地等の贈与を受けた場合の納税猶予の特例 |
相続・贈与・相続税・贈与税・譲渡・農地等の贈与相談室:新潟ときめき応援隊
以下、農地等とは、農地(特定市街化区域農地等に該当するもの及び農地法第32条の規定による耕作の放棄の通知(同条ただし書の公告を含みます。)に係るものを除きます。)及び採草放牧地(特定市街化区域農地等に該当するものを除きます。)、準農地(10年以内に農地や採草放牧地に開発して、農業の用に供するもので一定のものをいいます。)をいいます。特例農地等のうち公共事業のために一時的に転用しているものも農地等に含まれます。 |
1 農業後継者が農地等の贈与を受けた場合の納税猶予の特例の概要
農業を営んでいる人が、農業の用に供している農地の全部並びに採草放牧地及び準農地の一定部分をその農業を引き継ぐ推定相続人の1人に贈与した場合には、その贈与を受けた人(受贈者といいます。)に課税される贈与税については、その贈与を受けた農地等について受贈者が農業を営んでいる限り、その納税が猶予されます(猶予される贈与税額を「農地等納税猶予税額」といいます。)。
この農地等納税猶予税額は、受贈者又は贈与者のいずれかが死亡した場合には、その納税が免除されます。
ただし、贈与者の死亡により農地等納税猶予税額の納税が免除された場合には、特例の適用を受けて納税猶予の対象になっていた農地等(特例農地等といいます。)は、贈与者から相続したものとみなされて相続税の課税対象となります。 |
2 農業後継者が農地等の贈与を受けた場合の納税猶予の特例を受けるための要件
農業後継者が農地等の贈与を受けた場合の納税猶予の特例を受けるためには、次の要件に該当する必要があります。
(1) 贈与者の要件
イ 農地等を贈与した日まで引き続き3年以上農業を営んでいた者であること。
ロ 次に掲げる場合に該当しない者であること。
(イ) 贈与をした年の前年以前において、贈与者の農業の用に供していた農地をその者の推定相続人に対し贈与をしている場合であって、その農地が相続時精算課税の適用を受けるものであるとき
(ロ) 贈与をした年において、その贈与以外の贈与により農地及び採草放牧地並びに準農地の贈与をしている場合
(ハ) 過去にこの納税猶予の特例の適用を受ける贈与を行っている場合 |
(2) 受贈者の要件
イ 贈与者の推定相続人であること。
ロ 次の要件に該当するものとして農業委員会が証明した者であること。
(イ) 贈与により農地等を取得した日における年齢が18歳以上であること。
(ロ) 贈与により農地等を取得した日まで引き続き3年以上農業に従事していたこと。
(ハ) 贈与により農地及び採草放牧地を取得した後、速やかにその農地及び採草放牧地について農業経営を行うと認められること。 |
(3) 特例農地等の要件
次のすべてに該当するものであり、贈与税の期限内申告書にこの特例の適用を受ける旨の記載されたものであること。
イ 贈与者が農業の用に供している農地等であること。
ロ 贈与者が農業の用に供している農地の全部と採草放牧地及び準農地の面積の3分の2以上であること。 |
3 農業後継者が農地等の贈与を受けた場合の納税猶予の特例を受けるための手続等
(1) 贈与税の申告手続
贈与税の申告書に所定の事項を記載し期限内に提出するとともに農地等納税猶予税額及び利子税の額に見合う担保を提供することが必要です。申告書には贈与税の納税猶予に関する適格者証明書や担保関係書類など一定の書類を添付することが必要です。
(2) 納税猶予期間中の継続届出
納税猶予期間中は贈与税の申告期限から3年目ごとに、引き続いてこの特例の適用を受ける旨及び特例農地等に係る農業経営に関する事項等を記載した届出書(この届出書を「継続届出書」といいます。)を提出することが必要です。 |
4 農地等納税猶予税額を納付しなければならなくなる場合
次のいずれかに該当することとなった場合には、その農地等納税猶予税額の全部又は一部を納付しなければなりませんので注意が必要です。
イ 特例農地等について、譲渡等があった場合
譲渡等には、譲渡、贈与若しくは転用のほか、地上権、永小作権、使用貸借による権利若しくは賃借権の設定(一定の要件を満たすものは除きます。)又はこれらの権利の消滅若しくは農地について農地法第32条の規定による耕作の放棄の通知(同条ただし書の公告を含みます。)があった場合も含まれます。
ロ 特例農地等に係る農業経営を廃止した場合
ハ 継続届出書の提出がなかった場合
ニ 担保価値が減少したことなどにより、増担保又は担保の変更を求められた場合で、その求めに応じなかったとき |
ホ 受贈者が任意に特例の適用を取りやめる場合
ヘ 都市営農農地等について生産緑地法の規定による買取りの申出があった場合や都市計画の変更等により特例農地等が特定市街化区域農地等に該当することとなった場合
都市営農農地等とは、生産緑地地区内にある農地又は採草放牧地のうち一定のものをいいます。
ト 特例の適用を受けている準農地について、申告期限後10年を経過する日までに農業の用に供していない場合 |
|