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田中税理士事務所の税制改正TOPICS
定率減税は、景気が回復するまで及び個人所得税を抜本的に見直すまで続けるという条件が付されています。 従って、当初は平成17年、18年の2年度で縮減、廃止する予定でしたが、上記のことから、平成17年度の半減 だけを決め、平成18年度での定率減税の廃止は明記せず、景気を見極めて弾力的対応をする改正要綱等となっています。
平成11年分以後の所得税と平成11年度分以後の個人住民税について定率減税が実施されていました。 小渕内閣が景気浮揚政策として始めたこの定率減税は、税額から、定率による税額控除の額を控除するというものです。 ☆ 定率減税の概要 定率減税額 ☆ 定率による税額控除の額は、定率減税前の所得税額の20%相当額です。 その額が25万円を超える場合には25万円が限度となります。 住民税の定率減税: 住民税額 × 15% (4万円が限度) ☆ 年調定率減税適用対象者の決定 ☆ 平成16年分の年末調整の対象者で、かつ、年調年税額(住宅借入金等特別控除後)のある人が 年調定率減税の適用対象となりますので、対象となる人を抽出します。 ☆ 定率減税が平成18年完全廃止された場合の所得税と平成16年分所得税 ケーススタディ ☆ 本人:年収800万円の給与所得者 家族:専業主婦の妻・子供(中学1年生13歳・大学生19歳) 控除:社会保険料83万円 生命保険料11万円 個人年金保険料15万円 給与所得金額:800万円−200万円(給与所得控除額)=給与所得金額600万円 課税所得金額:給与所得額600万円−社会保険料控除額83万円−生命保険料控除額10万円−配偶者控除38万円 −般扶養控除101万円−基礎控除38万=課税所得金額330万円 □ 平成18年分定率減税完全廃止した場合の所得税額: 330万円×所得税率10%=33万円 □ 平成16年分所得税額:33万円−33万円×20%=26.4万円
05年度税制改正の焦点になっている定率減税の縮減・廃止について、与党内で06年度までの2年間で原則廃止する方向が固まった。 2年での全廃を主張する自民党に対し、公明党は景気への配慮から3年での廃止を求めていた。 景気が悪化した場合、新たな減税策や財政措置、縮減の停止など柔軟な対応をとることを今月中旬にまとめる与党税制改正大綱に 盛り込むことを条件に、公明党も2年を容認する。 12/10、自民党税制調査会の津島雄二会長と伊吹文明小委員長は小泉首相と党本部で会談した。 首相は「(判断は)お任せする」と述べ、党税調の結論を尊重する考えを示した。 一方、首相は記者団に「(定率減税を)縮小していくには(財政や経済状況など)総合的な判断が必要だ。 いろんな方法がある」と話し、何らかの景気への配慮策が必要との考えを示唆した。 自民、公明は同日、与党税制協議会を開催。定率減税は直接的な議題にはならなかったが、 自民党税調幹部は朝日新聞の取材に「2年廃止の方向だ。あとは景気が悪化した場合の対応を税制改正大綱にどう書くかだ」と話した。 公明党内にはなお3年廃止の意見が多いが、同党税調幹部は「3年廃止はあくまで目標」とし、 与党調整の最終局面では必ずしもこだわらない考えを示した。 1年目の05年度の縮減幅について、自民は半減すべきだとの意見が多いのに対して、 公明党内には低所得者層の急激な負担増は避けるべきだとの意見があり、与党間で調整する。 一方、定率減税の縮減・廃止に慎重な姿勢だった竹中経済財政相も10日の記者会見で 「05年度はどのような制度改正になっても経済に対する負荷は大きなものではない」と述べ、来年度からの実施を容認した。 竹中氏は景気が悪くなったら定率減税廃止をやめることができる「停止条項」の明記などを想定している。 提供:朝日新聞2004/12/11
☆ 政府税調会長、定率減税に代わる新減税案を批判 ☆ 2004/12/3 政府税制調査会(首相の諮問機関)の石弘光会長は3日午後、都内で記者会見し、 先に提出した2005年度税制改正答申で所得税の個人向け減税(定率減税)の廃止を打ち出したことに関連し、 定率減税に代わる新たな減税案について、「噴飯ものだと思う」と指摘した。 ただ、「三位一体改革(国との地方の税財政改革)による税源移譲との絡みもあるが、2年ではなく3、4年に伸ばすことは 現実味を帯びる可能性は十分にある」との見方を示した。 答申に関しては、「少子高齢化が待ったなしであるし、先進国で最悪といわれる財政赤字等々を考えて、 これから先は税負担増は避けられないと明言している」と説明し、 財政健全化に向け定率減税の廃止や消費税率の引き上げが不可欠との認識を改めて示した。
☆定率減税2年で全廃?、景気次第で別減税? 政府・与党調整 ☆ 2004/12/2 政府・与党は、景気対策として99年に導入した個人所得税の定率減税を05、06年度の2年間で全廃するものの、 景気悪化の場合には、法人税や所得税などの新たな減税策を06年4月から実施する方向で調整に入った。 温暖化防止のための環境税の導入や、低価格のビール風アルコール飲料に的をしぼった課税強化は、 来年度税制改正では見送る方向だ。 定率減税の見直しについて、自民党税制調査会の津島雄二会長は朝日新聞のインタビューで、 国と地方の三位一体改革に伴う「06年度までの所得課税の抜本改革と一体的に進めるべきだ」と強調した。 1日の自民、公明の与党税制協議会でも「定率減税はケリをつけなければならない」(自民税調幹部)など、 06年度までに全廃するべきだとの意見が多かった。 06年1月に定率減税を縮減し、07年1月に全廃する方向が有力だが、 全廃すれば1世帯あたり年間で最高29万円の負担増となり、景気への悪影響を懸念する声は強い。 このため、政府・与党では来年以降の景気の動向次第では、06年4月に新たな減税策を導入することも視野に入れた。 個人消費が悪化すれば所得税減税を、地方や中小企業に配慮が必要と判断すれば法人税減税を、などが検討されそうだ。 その際の減税規模は定率減税廃止による増収3.3兆円の範囲内で、具体的な内容は 「そのときの景気の状況次第で柔軟に考える」(政府関係者)として、来年末の06年度税制改正で議論する。 その新減税を導入したとしても、実施は06年4月のため、06年1〜3月の定率減税の縮減分はまるまる負担増となる。 この分については、06年の年末調整で1月までさかのぼる減税措置を講じ、納税者に返す。 定率減税廃止による増収は、基礎年金の国庫負担割合の引き上げなどの財源にあてられる方針だが、 新たな減税策が実施されれば、 財源不足が生じる可能性がある。 そのときは07年度以降に想定される消費税率の引き上げを含め、「トータルに考える」(自民党税調幹部)としている。
☆ 定率減税06年度に廃止、政府税調が来年度税制改正案 了承 ☆ 2004/11/18 政府税制調査会(首相の諮問機関)は18日の総会で、来年度税制改正答申の素案を了承した。 所得税と個人住民税の一定割合を控除している定率減税を来年度から段階的に縮減し、2006年度に廃止する方針を明記。 さらに、消費税率引き上げの必要性を折り込むなど実質増税となる歳入拡大路線を色濃く打ち出す内容となった。 総会では、三位一体改革(国と地方の税財政改革)に伴う税源移譲に関する素案の表現で、 地方の歳入不足を穴埋めする交付税の「財源保障機能の縮減」を折り込んだことに異論があったため、 これら細部を最終調整し、25日に小泉純一郎首相に提出する。 税調委員の一部には、景気減速感の強まりから、定率減税の廃止に対する異論が残った。 しかし、素案は「来年度から縮減し、06年度までに段階的に廃止すべき」と廃止時期を明確に示した。 「1年以上先(実質増税の実施時期)の景気状況は予想できない。支障があれば実施を見送ることもできる」(石弘光税調会長)と、 景気問題の下駄(げた)を完全に政治に預けたことで、逆に税収不足に対する税調の危機意識を色濃く反映。 政府に歳入拡大路線への転換を強く促す形となった。 消費税についても、食料品など一部の必需品の税率を低く抑える軽減税率(複数税率)に対し 「単一税率が望ましい。低所得者層への配慮は税財政全体で調整すべき」と、 税率引き上げを念頭に置いた具体的な対応策に踏み込んで言及。環境税の導入にも「継続検討課題」として実現に含みを残した。 FujiSankei Business i. 2004/11/19
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