個人住民税 第2教室 給与所得者の住民税の計算・給与支払報告書の提出 |
Q:給与所得者の場合に、各区市町村では、どのように住民税を計算しているのでしょうか?
A:それでは、給与所得者の住民税の計算方法についてみてみましょう。
□ 個人住民税の申告は、その年の1月1日現在の住所地の市町村に、3月15日までにしなければなり
ません。しかし、所得税の確定申告書を提出した人や給与所得のみ又は公的年金等のみの支払いを受
けている人は一部の方を除いて申告の必要はありません。
□ 給与所得者等の場合、事業主等から送付される給与支払報告書(源泉徴収票)により、住民税の課税
基準で、住民税を市町村で計算します。
□ 市町村では、給与支払報告書・確定申告書により計算した住民税の額を本人(住民税の特別徴収者
の場合には、勤務先等)に通知して、通常、6月、8月、10月、翌年の1月に納めてもらいます。(納期に
ついては、市町村により異なることがあります。)
□ 特別徴収の給与所得者の場合は、6月から翌年の5月までの間、給料より毎月源泉徴収されて事業
主が納付することになります。 |
□ 各種の所得金額の計算は、所得税も住民税も差異はありません。各種の所得金額の合計額から控除
される所得控除額について住民税の所得控除額と所得税の所得控除額は、異なるものがあります。住
民税の方が控除される金額が少ないものがあります。
□ 例えば、一般の生命保険料控除の場合、所得税の控除額の上限は、5万円ですが住民税の控除額
の上限は、35000円となっています。一般扶養親族の控除額についても、所得税の控除額は、一人につ
き38万円ですが、住民税での控除額は、一人につき33万円となっています。 |
個人住民税は、均等割・所得割・利子割などに区分されます。
□ 均等割は個人が等しく負担するものであり、所得割は前年の所得の額に応じて負担するものです。
□ 利子割は道府県民税のみに設けられているもので受け取る預貯金の利子などの額に応じて負担するも
のです。
□ 個人住民税のうち均等割・所得割は1月1日現在の住所地で課税されるもので、道府県民税と市町村
民税についての事務、例えば申告書の受付、税額の計算、納税通知書の送付、住民税の収納などの事
務は、市町村が併せて行っています。 |
均等割の税額
○平成26年度〜35年度
東日本大震災に伴う復旧・復興事業のうち、全国の地方公共団体で行われる緊急防災・減災施策に要
する費用の財源を確保するために地方税の臨時特例法が公布され、個人住民税の均等割の標準税率が
引き上げとなりました。
このことを受け、個人市民税及び県民税の均等割が平成26年度から平成35年度までの10年間、それ
ぞれ500円引き上げとなりました。
なお、個人市・県民税が非課税の方は、引き上げによる影響はありません。
□ 道府県民税は年額1,500円となります。
□ 市町村民税は年額3,500円となります。
○その他の年度
□ 道府県民税は年額1,000円となっています。
□ 市町村民税は年額3,000円となっています。 |
所得割の税額
□ 道府県民税は課税所得金額に4%を乗じた額になります。
□ 市町村民税は課税所得金額に6%を乗じた額になります。 |
利子割の税額
受け取る利子の額に5%を乗じた額になります。詳しくは、地域振興局等にお問い合せ下さい。 |
Q:開業医や税理士、弁護士、小売業の店主といった個人事業者の場合の住民税は、どのようにして計算さ
れることになるのでしょうか?
A:所得税の確定申告を要する個人事業主等の場合には、所得税の確定申告書と住民税の確定申告書(複
写)を税務署に提出することにより各市町村に確定申告書(住民税)を税務署経由で提出したことになります。
各市町村は、税務署に提出された確定申告書(住民税)を回収して住民税の計算を行います。住民税につ
いて事業者が各市町村に直接提出する給与支払報告書に相当します。 |