所得税と災害の税金教室・所得税の確定申告支援室: 所得税法72条 雑損控除
この度の「東北関東大震災・大津波」により被害を受けられた皆様に謹んでお見舞い申し上げます。 |
■■■ 雑損控除と雑損控除の対象となる資産について(所得税の所得控除) ■■■
雑損控除のあらまし(災害や盗難などで資産に損害を受けたときの所得控除)
災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを雑損控除といいます。
雑損控除につき、損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、3年間を限度として翌年以後に繰り越して、各年の所得金額から控除することができます。
☆ 雑損控除を受けるための手続・雑損控除の金額と繰越控除の計算・雑損控除の対象となる損害の原因が震災など異常な災害による場合のケースについては、こちら「災害と税金のあらまし」で説明しています。 ☆
☆ 損害をうけた資産の所有者の適用要件は、こちら「損害資産の所有者」で説明しています。 ☆
その所有者が居住者本人以外の親族の場合もありますのでご確認下さい。
☆ 災害減免法の災害資産の範囲・災害減免法第2条で規定している災害を受けた住宅又は家財
・雑損控除の対象となる災害関連支出・被災資産本体の損失額とその修繕費との関係と修繕費の範囲など
については、こちら「災害関連支出等」で説明しています。 ☆ |
Q 雑損控除の対象になる資産にはどのような要件がありますか?
A 損害を受けた資産が次のいずれにも当てはまる必要があります。
(1) 資産の所有者が次のいずれかであること。
イ 納税者本人
ロ 納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が38万円以下の者。
(2) 生活に通常必要な住宅、家具、衣類などの資産であること。 (事業用の資産や別荘、書画、骨とう、
貴金属等で1個又は1組の価額が30万円を超えるものなどは当てはまりません。) |
Q: 雑損控除の対象となる資産とは、どのようなものをいいますか?
A: 雑損控除の対象となる資産は、居住者又はその者と生計を一にする一定の親族の有する住宅家財等の生活に通常必要な資産ですが、次に掲げる資産(生活に通常必要でない資産及び被災事業用資産)は、この対象から除かれています。
@ 競走馬(その規模、収益の状況その他の事情に照らし事業と認められるものの用に供されるもの
を除く。)その他射こう的行為の手段となる動産(所令178@一)
A 通常自己及び自己と生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で主として
趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産(所令178@二)
B 生活の用に供する動産でその譲渡等による所得が非課税とされないもの(所令178@三)
C たな卸資産(所法70B)
D 事業の用に供する固定資産(所法70B、51@)
E 繰延資産のうちまだ必要経費に算入されていない部分(所法70B、所令140)
F 山林(所法70B,51B)
*Bの「生活の用に供する動産でその譲渡等による所得が非課税とされないもの」とは、生活に通常必要でない動産のほか生活に通常必要な動産のうち1個又は1組の価額が30万円を超える貴金属、書画、骨とう及び美術工芸品等をいう(所令25)。 |
雑損控除として控除できる金額 |
次の二つのうちいずれか多い方の金額です。
(1) (差引損失額)−(総所得金額等)×10%
(2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)−5万円 |
住宅借入金等特別控除 |
初年度の住宅借入金等特別控除の適用は、年末調整ではなく確定申告書を提出する必要があります。住宅ローン控除も・お気軽にお問い合せ下さい。 |
社会保険料控除
医療費控除 |
平成17年分より、国民年金の保険料について社会保険料控除の適用を受ける場合には
納税証明書を確定申告書に添付し、又は年末調整の際に提出しなければならないことに
なっています。
医療費控除を受けられる方は、医療費の領収書は原本添付となります。 |
所得税の
確定申告 |
雑損控除を受けるためには、確定申告書に雑損控除に関する事項を記載するとともに、災害関連支出の金額の領収を証する書類を添付するか、提示してください。
給与所得のある方は、このほかに給与所得の源泉徴収票の原本を申告書に添付してください。
地震などの災害により申告等をその期限までにできないときは、所轄の税務署長に申請
し、期限延長の承認を受けることにより、その理由のやんだ日から2ヶ月以内の範囲でその期限を延長することができる制度があります。 |
雑損控除又は災害減免法による軽減の対象となる損害資産・災害資産や雑損控除の対象となる損害の原因雑損控除額の計算については、所得税と災害の税金教室1:災害と税金のあらましに掲載いたしました。
損害を受けられた資産の所有者は、一定の親族の場合もありますので雑損控除の対象となる親族の範囲については、災害と税金教室2:損害を受けた資産の所有者の適用要件に掲載いたしました。 |