所得税の確定申告支援室 : 寄付金控除・寄付金控除の対象となる特定寄付金・政治献金 |
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寄附金控除を受けるためには、寄附金控除に関する事項を記載した確定申告書に一定の書類を添付するか、確定申告書を提出する際に提示する必要があります。 |
■ 寄付金控除・寄付金控除の対象となる特定寄付金・政治献金と寄付金控除(所得控除) ■ |
(寄付金控除)所得税法第78条
居住者が、各年において、特定寄付金を支出した場合において、第1号に掲げる金額が第2号に掲げる金額をこえるときは、そのこえる金額を、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。
1. その年中に支出した特定寄付金の額の合計額(当該合計額がその者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の100分の40に相当する金額をこえる場合には、当該100分の40に相当する金額)
2. 2千円 |
1 寄付金控除の概要
納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄付金」を支出した場合には、所得控除を受けることができます。これを寄付金控除といいます。なお、政治活動に関する寄附金のうち一定のものについては、所得控除に代えて、税額控除を選択することができます。 |
2 寄付金控除の対象となる特定寄付金
特定寄付金とは、次のいずれかに当てはまるものをいいます。
ただし、学校の入学に関してするもの、寄附をした人に特別の利益が及ぶと認められるもの及び政治資金規正法に違反するものなどは、特定寄附金に該当しません。 |
(1) 国、地方公共団体に対する寄附金
(2) 公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人又は団体に対する寄附金のうち、
次に掲げる要件を満たすと認められるものとして、財務大臣が指定したもの
イ 広く一般に募集されること
ロ 教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で
緊急を要するものに充てられることが確実であること |
(3) 所得税法別表第一に掲げる法人その他特別の法律により設立された法人のうち、教育又は科学の振興、
文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして、所得税法施行令第217条で
定めるものに対する当該法人の主たる目的である業務に関連する寄附金((1)及び(2)に該当するものを除きます。)
なお、所得税法施行令第217条で定めるものとは、次の法人をいいます(以下、「特定公益増進法人」といいます。)。
イ 独立行政法人
ロ 地方独立行政法人のうち、一定の業務を主たる目的とするもの
ハ 自動車安全運転センター、日本司法支援センター、日本私立学校振興・共済事業団及び日本赤十字社
ニ 公益社団法人及び公益財団法人
ホ 民法34条の規定により設立された法人のうち一定のもの及び科学技術の研究などを行う特定法人
(旧民法法人の移行登記日の前日までに寄附した場合に限られます)
ヘ 私立学校法第3条に規定する学校法人で学校の設置若しくは学校及び専修学校若しくは各種学校の
設置を主たる目的とするもの又は私立学校法第64条第4項の規定により設立された法人で専修学校
若しくは各種学校の設置を主たる目的とするもの
ト 社会福祉法人
チ 更生保護法人 |
(4) 特定公益信託のうち、その目的が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の
増進に著しく寄与する一定のものの信託財産とするために支出した金銭
(5) 政治活動に関する寄附金のうち、一定のもの
(6) 認定特定非営利法人(いわゆる認定NPO法人)に対する寄附金のうち、一定のもの
(7) 特定新規中小会社により発行される特定新規株式を払込みにより取得した場合の特定新規株式の取得に
要した金額のうち一定の金額(1千万円を限度とします。)
(8) 特定地域雇用等促進法人に対する寄附金のうち、一定のもの(平成25年11月30日までに支出するものに
限ります。) |
3 寄付金控除の控除額の計算方法
次のいずれか低い金額 − 2,000円 = 寄附金控除額となります。
イ その年に支出した特定寄附金の額の合計額
ロ その年の総所得金額等(※)の40%相当額
※ 総所得金額等とは、純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額をいいます。 |
4 寄付金控除の適用を受けるための手続
寄附金控除を受けるためには、寄附金控除に関する事項を記載した確定申告書に次の書類を添付するか、確定申告書を提出する際に提示する必要があります。
(1) 寄附した団体などから交付を受けた領収書など
(2) (1)の領収書などのほか、次に掲げる書類
イ 上記2(3)ロについては、地方独立行政法人法第6条第3項に規定する設立団体のその旨を証する書類
の写しとして交付を受けたもの
ロ 上記2(3)ホ及びへについては、特定公益増進法人である旨の証明書の写し
ハ 上記2(4)については、特定公益信託であることの認定書の写し
ニ 上記2(5)については、選挙管理委員会等の確認印のある「寄附金(税額)控除のための書類」
(注) 確定申告書を提出するときまでに、「寄附金(税額)控除のための書類」が間に合わない場合は、「寄附金の領収書(写)」を添付して申告し、後日「寄附金(税額)控除のための書類」の送付を受けた後、速やかに税務署に提出してください。
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ホ 上記2(7)については、(1)の領収証などに加え、以下の書類を添付する必要があります。
@ 特定新規中小会社が発行した株式の取得に要した金額の寄附金控除額の計算明細書
A 特定(新規)中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除明細書
B 経済産業大臣が発行した特定新規中小会社に該当するものであること等の一定の事実の確認書
C 特定新規中小会社が発行した個人投資家が一定の同族株主等に該当しない旨の確認書
D 特定新規中小会社から交付を受けた株式異動状況明細書
E 投資契約書の写し
ヘ 上記2(8)については、(1)の領収証などに加え、以下の書類を添付する必要があります。
@ 寄附金を受領した法人が特定地域雇用等促進法人に該当する旨を証する書類の写し
A 寄附をした者が、寄附をした日において認定地域再生計画に定められた区域内に住所(住所が無い場合は居所)を有する場合には住民票の写し、又は勤務先の所在地がある場合には在職証明書、事業所で事業を営んでいる場合には事業申述書 |
5 政治献金と寄付金
個人が行う政治献金は寄付金控除の対象となる場合があります。
寄附金控除の対象となる政治献金は、個人がした政治資金規正法第4条第4項に規定する政治活動に関する寄附のうち、特定の団体に対してされた寄附又は特定の公職の候補者のその公職に係る選挙運動に関してされた寄附のことです。
これらの政治献金をして寄附金控除を受ける場合は、寄附した相手から、総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会等の確認印のある「寄付金(税額)控除のための書類」を受け取り、確定申告書に添付してください。
ただし、政治資金規正法に違反する寄附や寄附をした者に特別の利益が及ぶと認められるものは寄附金控除の対象にはなりません。
特定の団体というのは次の五つの団体です。
(1) 政治資金規正法第3条第2項の政党
(2) 政治資金規正法第5条第1項第2号の政治資金団体
(3) 政治資金規正法第3条第1項第1号の団体のうち、国会議員が主宰するもの又は主要な構成員が国会
議員であるもの
(4) 政治資金規正法第3条第1項第2号の団体のうち、公職(下記6A)に既についている人の後援会
(5) 政治資金規正法第3条第1項第2号の団体のうち、これから公職に就こうとする候補者の後援会 |
6 政治献金と寄付金控除の対象
@ 上記5の五つの特定の団体にされた寄付で、政治資金規正法第12条又は第17条の規定による報告書により総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会に報告されたものが寄附金控除の対象になります。
上記5の(5)の場合の候補者は公職選挙法第86条から第86条の4に定める届出を行う場合に限ります。
A 公職とは、衆議院議員、参議院議員、都道府県議会議員、都道府県知事又は政令指定都市の議会の議員若しくはその市長です。
これらの公職の候補者(公職選挙法第86条、第86条の3又は第86条の4に定める届出を行った人)のその公職に係る選挙運動に関してされた寄附で、公職選挙法第189条の規定による報告書によって、都道府県の選挙管理委員会又は中央選挙管理会に報告されたものは寄附金控除の対象になります。 |
法令定義・用語の意義1 法令定義・用語の意義2 法令定義・用語の意義3 法令定義・用語の意義4
■所得控除 ■所得税額の計算順序 ■課税標準 ■収入金額 ■必要経費 ■取 得 費 |
※各種所得の金額やその他の所得控除につきましては、下記の表の中からお選び下さい。 |